馬並 鈴木は口を半開きにして眠っていた
美意識の塊のくせに と
垂れかけた涎を親指で拭ってやる
「ん」
鈴木が身じろいだ
起こしてしまったかと思ったが
目を開けることはなかった
何か夢でも見ているのか
締まりのない顔で へら と笑った
「バカ面」
吸い寄せられるように顔を近づけ
そのにやけた口を塞いだ